令和２年度 宇佐高田医師会病院 病院指標

　呼吸器内科で１番多い症例は、昨年度と同様、誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物などが誤って気道に入り肺の炎症を引き起こすもので高齢者に多い疾患です。
　２番目に多いのは、心不全などの疾患を併発している細菌性肺炎です。３番目に多いのは、比較的軽症な細菌性肺炎と間質性肺炎となっています。間質性肺炎は、肺の組織を構成する肺胞という部分が硬くなり呼吸不全を起こす疾患です。
　呼吸器疾患は、いずれも平均年齢が高く８０歳を超えています。

　消化器科の多い症例は、昨年と同様で胆管結石や胆管炎など胆道系の疾患です。特殊な内視鏡を用いて胆道にステントを留置したり、結石を取り除く治療を行なっています。
　２番目は、誤嚥性肺炎です。
　３番目は、胃癌と尿路感染症です。胃癌はＥＳＤ（内視鏡的粘膜下層剥離術）で切除可能な転移の可能性が低い早期の癌となります。
　

　循環器内科では、昨年度と同様に心不全が一番多くなっています。
　２、３番目に多いのが、狭心症、慢性虚血性心疾患です。２番目は、心臓カテーテル検査を行った症例です。
３番目は、心臓に栄養を送る血管の細くなっているところに風船療法と呼ばれるバルーンをふくらませたり、金属製のステントを入れることで血液の流れを良くする治療を行った症例です。
　４番目は、頻脈性不整脈です。５番目は、誤嚥性肺炎となっています。
　 　 　

　外科で１番多いのは、急性虫垂炎です。腹腔鏡下で虫垂切除を行なっています。
　２番目は、胆のう炎に対して腹腔鏡下で胆のうを摘出する症例です。
　３番目は薬物中毒です。薬物中毒には、マムシ咬傷や蜂刺症も分類されるため、地域柄夏場になるとマムシや蜂による症例が増加傾向にあります。
　４番目は、腸閉塞の疾患が多くなっています。
　５番目は、尿路感染症や急性腎盂腎炎です。

消化器内科では、膵胆道系疾患の内視鏡による手術が多く、上位５つのうち３つを占めています。
平均術前日数からもわかるように当日手術を行うケースが多く、在院日数の短縮を図っています。
３番目に多いのが、早期胃癌に対するＥＳＤ（内視鏡的粘膜下層剥離術）となっています。

　循環器内科で多い手術は、急性心筋梗塞や不安定狭心症以外の虚血性心疾患に対して行う経皮的冠動脈ステント留置術（その他）です。当院では、主に手首や肘にある動脈からカテーテルを入れて、血管の細くなった部分にステントを留置しています。足の付け根にある動脈から行う手技に比べて、術後ベットで安静にする時間が短く、さらに退院までの日数も短くなっています。
　２番目は、徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術です。
　３番目は、急性心筋梗塞の治療です。一刻も早い対応が必要なため、宇佐市、豊後高田市周辺の医療機関、救急隊と連携し、救急搬送後直ちに心臓カテーテル検査や治療ができるよう取り組んでいます。

　外科で多い手術は、腹腔鏡下胆嚢摘出術です。
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、胆のう炎や胆石症などの疾患に対して行っています。
　２番目は腹腔鏡下虫垂切除術になっています。
腹腔鏡下の手術は、傷口が小さく患者さまの負担が小さいのが特徴です。
　３番目は、鼡径ヘルニア手術です。
　４番目は、子宮頸部（腟部）切除術で主に子宮頚部上皮内腫瘍の治療となります。平均年齢は４１．９歳と比較的若い世代の患者さんが多いです。
　婦人科系疾患は、医師会会員の先生と共同で治療をおこなっています。当院は共同利用施設の利用率向上にも取り組んでいます。