平成29年度 宇佐高田医師会病院 病院指標

平成29年度、呼吸器科で1番多い症例は、　誤嚥性肺炎です。　誤嚥性肺炎は、　食べ物や飲み物などが誤って気道に入り、
肺の炎症を引き起こすもので、高齢者に多い疾患です。次に多い症例は、間質性肺炎です。肺の組織を構成する肺胞という部分
が硬くなり呼吸不全を起こす疾患です。3番目に多いのは、たばこや有害物質を長期間吸入する事が原因とされる慢性閉塞性肺疾患です。4番目、5番目は、比較的軽症な肺炎となっています。

消化器科で多い症例は、胆管結石や胆管炎などの胆道系の疾患です。特殊な内視鏡を用いて胆道にステントを留置したり、結石を取り除くなどの治療をおこなっています。続いて多いのが、胃の早期悪性腫瘍です。入院期間7～10日で内視鏡的切除を行なっています。その他、胆のうの悪性腫瘍や腸炎なども多くなっています。

循環器内科で多い症例は、狭心症や慢性虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査です。次に多い症例は、狭心症、慢性虚血性心疾患に対する治療となっています。主に腕からカテーテルを挿入し、心臓に栄養を送る血管の細くなっているところを風船療法と呼ばれるバルーンをふくらませたり、金属製のステントを留置する治療です。
その他、心不全や頻脈性不整脈、高血圧性疾患が多くなっています。
いずれも高齢者が多く平均年齢７０歳を超えています。

外科で一番多いのは、胆のう炎に対して腹腔鏡下で胆のうを摘出する症例です。次に多いのが、腸閉塞となっています。
その他、夏場に多く発生するマムシ咬傷と　虫垂炎などの疾患も多くなっています。

消化器内科では、胆道系疾患の内視鏡による手術が多く、1位2位を占めています。続いて多いのが、胃の早期悪性腫瘍に対する
内視鏡治療です。開腹手術に比べ入院日数が短期間ですみ、また患者さまへの負担も軽くできます。
その他、　内視鏡的消化管止血術や内視鏡的大腸ポーリプ切除術も多くなっています。

循環器内科で多い手術は、急性心筋梗塞や不安定狭心症以外の虚血性心疾患に対して行う経皮的冠動脈ステント留置術（その他）です。当院では、主に手首や肘にある動脈からカテーテルを入れて、血管の細くなった部分にステントを留置しています。足の付け根にある動脈
から行う手技に比べて、術後ベットで安静にする時間が短く、さらに退院までの日数も短くなっています。
続いて多いのは、徐脈性不整脈に対するペースメーカ移植術です。
3番目に多いのが、急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術です。急性心筋梗塞は、一刻も早い対応が必要なため、宇佐市、豊後高田市周辺の医療機関、救急隊と連携し、救急搬送後直ちに心臓カテーテル検査や治療ができるよう取り組んでいます。
5番目になっていますが、経皮的カテーテル心筋焼灼術（アブレーション）も行なっています。この手術は、心臓内で不正に電気を伝えたり発生したりする事で不整脈になる患者さまに対して行われます。　当院は、北部圏域で唯一行なっている医療機関です。

外科で多い手術は、腹腔鏡下胆のう摘出術です。　腹腔鏡下胆嚢摘出術は、胆のう炎や胆石症などの疾患に対して行っています。
腹腔鏡下の手術は、傷口が小さく患者さまの負担が小さいのが特徴です。
その他鼡径ヘルニアや虫垂炎の手術、結腸の悪性腫瘍の腹腔鏡下手術も多くなっています。
当院は共同利用施設の利用率向上にも取り組んでいます。婦人科系疾患は、会員の先生と共同で治療をおこなっています。